「キャリア」とは?
Posted on | 7月 22, 2010 | 「キャリア」とは? はコメントを受け付けていません。
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キャリアとは何か、少し分かりやすく解説してみましょう。
キャリア研究者のいう「キャリア」と、一般化している「キャリア」との意味はやや違います。一般化されているキャリアは、国家一種に代表されるように出世的な地位や収入など、ある程度ハイクラス層へのイメージが強くあります。就職や転職などのキャリアパスでいかに高いところへ自分を導くのか。そのために「キャリアアップ」という言葉が定着しています。「経歴」ともいうように「結果」を表すことが多いと思います。
しかし研究や学者の世界では「キャリア」とは誰にでもあり、上下などいっさいないといっています。仕事と人生の時間の流れの、その「プロセス」が「キャリア」であるというのが共通概念になっています。
学校教育におけるキャリア教育の浸透は、やや一般的な解釈に先行されるように行なわれてきました。この流れは、ITに代表されるように産業の構造変化や起業ブームにあおられる形で顕著になりはじめ、その後ニート問題など若年者の雇用問題がクローズアップされ、そして学校教育が少しずつ危機感を持ちはじめたように移り変わっていきます。そのため文部科学省と厚生労働省と経済産業省がいう「キャリア教育」には、微妙にスタンスの違いがあり、その違いによりますます一般的には複雑化した印象を見せていると思います。
文科省の進めるキャリア教育は従来の進路指導の延長線上で行ない、厚労省はニート対策など若年者労働問題として行なわれ、経産省は産業人材育成や経営者を育てることに興味を強くおいています。このように霞ヶ関でも分裂した状態が今も続いています。
しかしながら現場で行なわれることは、どのアプローチからでも本来変わらないものというのが本質的にはいえると思います。授業を受ける子供たちもどれかを選ぶというようにはいきません。それぞれの考え方には一長一短があるでしょうし、それらを検証・考察し、本質的な意味に即したカリキュラムを作り上げる必要性を強く感じています。そのためまずは具体的現象の現場を作る、その立ち位置に身を置くことが重要ではないかと考えています。