教員がもっといきいきと働けるように
Posted on | 12月 25, 2012 | 教員がもっといきいきと働けるように はコメントを受け付けていません。
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学校で働くことをもっと魅力的な職業にしなければならない。そんなことを考えてしまう記事が目についたので、少し書こうと思いました。
(毎日新聞)
休職教員:「心の病」5274人 11年度公立校、高水準続く−−文科省調査
休職教員:「心の病」 仕事量増加、同僚の支えなく 現場、ゆとり失う
(読売新聞)
管理職向かない…一般教員へ降格申し出216人
子どもたちの問題について、教員の心の病気が関係している可能性は高い。若者問題について色々語られる原因は複雑にあり様々な仮説がある。
「昔も同じような問題があったが、情報通信技術の発達でそれが発信されるようになったから」といった話しから、「家族や地域での人との関わりの時間がへり、精神的に安定しにくくなった」など、はっきりと言いにくいことも多い。ただし、子どもは大人たちのつくった生活環境に影響される。教員の心の病気が多いということは、確実に学校現場で問題が起こる可能性が高まることを意味する。
教員の心の病気が多くなってきている背景も、子どもたちのそれと似たようなものがあるだろう。子どもたちが先生世代になってきたという世代間の移り変わりも含めて、学校組織や教育界の環境変化。外の世界(経済・地域・家族)の変化に対応することがうまくいかないことなど。
教師を目指している学生が教育実習にいってくると先生になることを辞めたという学生が最近増えてきたように思う。それは職員室等の雰囲気(組織文化)がよくないという印象が原因だったりする。だから、教師の心の病気が増えている遠因もなんとなくわかる。記事によると「学級を一人で受け持ち、保護者との関係の悩みなどを同僚や上司に相談しにくい状況が依然あるのではないか」という側面もあるだろうが、それだけではないだろう。昨日たまたま読んでいた『組織文化とリーダーシップ』(白桃書房)から考えると、組織文化の基礎的な前提条件への深い観察からアプローチが必須だと思う。管理職となる人たちのリーダーシップが非常に重要であるのだが、このシステムも崩壊しかかっているから、ことは深刻だ。
一方で、視察者が世界中から絶えず集まっているフィンランドの教師のステータスは高い。人気職業としてよき人材が集まる。学習内容等カリキュラムに視点が向くことが多いが、教員がいきいきと働く環境が整っているからこそパフォーマンスの高い現場を作れる。
先日は高校の進路指導の先生の集まりにもお呼び頂いた。学校を訪問して先生と打ち合わせする機会もたくさん増えてきた。明日も某学校を訪問する。カタリバをやっていて、その効果は生徒や学生のみならず先生にもいい影響(効果)を与えている手応えがある。カタリバを実施する意味は、思った以上に広く、教員側にも可能性があるかもしれない。